アクセサリープロジェクトマネジメント

今回のテーマは、アクセサリー開発マネジメントのお仕事です。開発グループ アクセサリー開発マネジメントチームの岸川祥一(日産自動車出身)、西野孝宏(三菱自動車出身)から、車両の開発とは少し異なるアクセサリー開発マネジメント業務について話を聞きました。

▲写真左から/岸川、西野

アクセサリー開発とその魅力

- まず、お二人のこれまでのご経歴を教えていただけますか。

西野:私は89年に三菱自動車に入社して、そこから車種開発プロジェクト業務、この「スタッフに聞く」企画の第1回小野さん達がされているお仕事ですね、こちらを経験してきました。その後、08年にアクセサリー開発部門に移って現在に至ります。NMKVはアクセサリー開発のチームができた2013年9月から兼務しています。

岸川:私は92年に日産自動車に入社して、車両外装設計を9年担当しました。その後、先行開発グループで約2年業務を行い、その後アクセサリー開発部門に異動しました。NMKVのアクセサリー開発マネジメントチームは、2014年4月から兼務しています。

- お二人ともアクセサリー開発の部署は希望されていたと伺っていますが、アクセサリー開発の魅力について教えてください。

岸川:ご存じの通りアクセサリーは車両開発の本流ではありませんが、いかに純正としての特色を出せるか、適正な価格で純正品質を確保した商品をタイムリーに市場に出せるか等、仕事のやりがいや会社収益への貢献度も非常に大きいです。何より私がアクセサリー開発部へ異動を希望した最も大きな理由は、お客様の声、評価がダイレクトに聞こえてくるという事です。車両外装設計時代は、良い部品を作ったとしても、その部品に対する市場の評価や車両への貢献度があまり実感として持てませんでした。しかしアクセサリーは、例えばエアロパーツ等、自分で開発した部品を選んで購入して頂いたお客様の評価や喜ぶ声が伝わってきます。またどれだけのお客様がその部品を購入して頂けたのか、会社収益にいくら貢献出来たのかもダイレクトに分かります。これは車両本体の開発とは全く異なるやりがいだと思います。

西野:同感ですね。私はアクセサリー開発に来るまでは、車種開発プロジェクトにいましたので、マネジメントするのが車両本体の開発だったわけです。それはそれでやりがいはあったのですが、正直言うと自分が貢献したという実感が、なかなか得られにくいところがありました。一方、アクセサリーはひとつひとつが商品です。このひとつひとつを、仕上げていくのは正に「モノづくり」をしているという達成感があります。これは何ものにも代えがたいですね。

NMKVのアクセサリー開発マネジメント

- お二人ともNMKVでは「開発」ではなく「開発マネジメント」のお仕事ということですが、アクセサリー開発マネジメントというのはどのようなことをなさっているのでしょうか。

西野:NMKV開発車両の場合、日産自動車と三菱自動車で共通となるアクセサリーを実際に開発するのは三菱自動車のアクセサリー開発部門です。そこで両社のアクセサリー企画部門と三菱自動車のアクセサリー開発部門の間に立ち、企画を具現化し、コスト、試験、スケジュール管理など、開発に関わる全てを管理、文字通りマネジメントするのが私たちの役割です。

岸川:また日産自動車と三菱自動車の共通以外の各社専用アクセサリーについてですが、日産自動車では自社で車両を開発していないため、車両レベルでのアクセサリーの評価や実験が効率良く出来ません。よって日産自動車専用のアクセサリー開発についても、その一部をNMKV開発マネジメントチームで業務委託を受けています。そしてNMKVから三菱自動車のアクセサリー開発部門に開発業務委託することにしています。

- このようにNMKVがマネジメントとして関わることでどのような効果が期待されているのでしょうか。

岸川:やはり車両を開発・マネジメントしているNMKVにアクセサリー開発のマネジメント業務を集中することで、より多くのアクセサリーを効率的に開発出来る様になります。例えば、日産自動車はこれまで軽自動車は全てOEM供給を受けていましたので、ほとんどのアクセサリーも車両と同様にOEM元が開発した商品を購入させて頂いておりました。よって日産自動車専用のアクセサリーラインナップを充実させるのは難しい側面がありましたが、NMKVに開発マネジメントを委託することで、両社共通アクセサリーや専用アクセサリーを効率良く開発でき、商品のラインナップを充実できました。アクセサリーカタログにたくさんのアクセサリーを掲載できた時は満足感がありました。

西野:三菱自動車としては、自社の企画だけでやってきたところが、日産自動車からの提案にも応えなければならないので、やや工数は増えるということはあります。但し、商品構想など両社の考え方を共有できたり、一社では思いつかないようなアイデアも期待できます。個人的には、軽自動車にもアラウンドビューモニターを設定し、この映像を表示できる専用ナビの展開は非常に新鮮でした。実際、お客様には大変ご好評を頂いているので、正にNMKVの「いいとこ取り」の精神ですね。

岸川:私たちは両社を兼務して両方の立場でアクセサリー開発業務に携わっている状況ですが、今はその様な環境で三社でのアクセサリー開発の土台を整えている段階だと思っています。今後更なる協業のメリットを模索し、三社に貢献していきたいと思っています。

三社協業の強みを生かす

- これからNMKVでお二人が今後やりたいことや目標などがあれば教えてください。

岸川:日産自動車、三菱自動車、NMKVと三社で協業している以上、三社でないと出来ない用品を市場に出したいという思いがあります。例えば、一社では開発費がかかりすぎるアクセサリーや、開発難易度の高いものでも、三社の技術や知恵を出し合い、お互いの数量を合わせれば、今まで出来なかった事も出来る様になると思います。今は開発効率やコスト面で協業メリットを出せていますが、それだけではもったいないと思っています。

西野:そうですね。ドアバイザーとかフロアマットとかは、殆どのお客様に購入して頂いておりますが、それ以外のアクセサリーとなりますと、軽自動車での装着率は非常に厳しいのが実態です。まだまだ、お客様のニーズに応えられていないのかも知れません。ですから、お客様から「こんなアクセサリーを待ってたんだ!」と言って頂けるものを一つでも多く世に出したいです。今がそのチャンスなのだと思っています。

- どうもありがとうございました。

2014年11月インタビューより ※掲載の所属、役職はインタビュー当時のものです。